【生きよう】 ダメな私に恋してください 6巻 感想 【超生きよう】
月刊YOUで絶賛連載中、中原アヤ先生の「ダメな私に恋してください」の第6巻が2015年4月24日に発売された。
1~5巻のあらすじとしては(ネタバレ注意)
◆勤め先の会社が倒産し、収入ゼロにもかかわらず年下の大学生に貢ぐ日々を送っていた柴田ミチコ(29歳)。そんな中再会した元上司・黒沢渉に救われ、彼の経営する喫茶店でアルバイトとして働くことに―――。
◆容赦なく辛辣な言葉を投げかけられ続けながらも、何かと力になってくれる黒沢のことが気になり始めるミチコ。しかし再就職先で出会った営業の最上大地に猛烈なアプローチをかけられ付き合うことに。一方ミチコは過去の経験(年下大学生に100万円騙し取られる)から妙に彼のことを疑ってしまい関係がこじれていってしまう――。
とにかく魅力は主人公ミチコのダメっぷり。自分のダメさを自覚しつつも己の選択を正当化する傾向がある。(その性格のせいで年下大学生に100万円騙し取られる)そしてふと我に返るとお先真っ暗、というわけだ。
あんなにも彼氏がほしい、幸せになりたいと願っていたのにいざできてみると思いの外その状況に対応できずめんどくさいと感じてしまうミチコ。しかし最上くんと初めてキスした際のミチコは女子中学生そのもの。恋愛経験の少ないめんどくさいタイプの女の心情をうまく露わにしている。
そして最新 第6巻。
まず、目を引き付けられたのは帯。
「生きよう 超生きよう」
結局前巻の最後で最上くんとも別れてしまった崖っぷちミチコ。
「そんな彼女にまた何か生き甲斐が見つかったのか!?よかったなミチコ...!!!」
ミチコに対し過剰なまでの仲間意識を持っている私はそんなことを思いなが読み始めた。
法事で実家に帰ったミチコ。親戚一同からダメっぷりを責められ己の情けなさを改めて痛感。社会の歯車としても女性としても機能していない自分なんて死んだほうがましだ、と自暴自棄になる。
が、甥が見ていたアニメ「美食戦隊 グルメンズ」に映るキラキラ爽やかイケメン俳優をたまたま目にし、ミチコは心の中で叫ぶのだ。
「生きよう 超生きよう」 と。
そう、ミチコはまた別の沼を掘り返す。
これよいのか悪いのか一概には言えないがこの後ミチコは彼のイベントなどに参加し元気を取り戻していく。
そして黒沢と二人で映画デート(?)へ行くことになり「お?やっとこの二人に春風が吹くのか??」と期待したのもつかの間。黒沢兄との問題が出てきたりとなかなか二人の関係が進展することはない。
しかしこの巻のラスト、今までのミチコ×黒沢には予想だにしなかった展開が待ち受けている。
全体を通して恋愛メインで内容を楽しみたい人にとってはこの漫画は展開が遅いかもしれない。しかしここでの魅力はあくまでもミチコのダメさとそんな彼女の成長だと私は思う。それに中原先生特有のキャラの会話のテンポの良さが読んでいて時に吹き出してしまうこともあるくらいに面白い。
だが...ここにきてやってきた急展開。
ミチコが黒沢に求婚するのだ。
「じゃあ主任、私と結婚してください。」
私は叫んだ。「ミチコっっっ!?!?!?」と。
まさか。まさかすぎる。この後黒沢とあいかわらずの関係を続けながらもゆっくりゆっくり恋愛的関係に発展していくものだと思っていた。
なのにまさかの突然の求婚。うん、よくわからないけれど頑張った頑張ったよミチコちゃん。
次巻黒沢の反応や二人の関係性の進展などますます目が離せない。
そして私の大好きな最上くん、いや、もがみきゅんの活躍も期待しよう。